年末年始に送った PR や作った Vim の terminal 関連プラグインと振り返りとか
なんだかんだこういう振り返り記事を書いたの初めてかもしれません。
最近やったことを書く機会があって書き出したらいい感じに振り返り記事になったので丁度よかった(?)。
なぜ terminal 関連のプラグインのみなのかというと今自分の中で一番熱いからです。
前のメジャーバージョン (Vim 8.1) の機能なんですけどね…
しかしこう見ると Vim の terminal は毎日使うので実用重視のプラグインしか作ってないですね。
もっとくだらないプラグインを作っていきたい。
あと去年は自分も LSP を使うようになったり、LSP 環境が改善した年でもあると思います。
自分も関数定義をステータスラインに表示するプラグインとか作ってたので、 LSP がそういうのを全て不要にしてくれる現実が来たのを実感して、 確実に Vim の未来が良くなってるのを感じます。
自分も LSP に限らず外部コマンドと連携するプラグインを作るアイデアがいくつかあり、色々面白いことができそうだと思います。
channel/job は前の前のメジャーバージョンの(ryf
最近やったことなんかをつらつらと書いていきます。
あといっちょ前に振り返りと来年の抱負。
gof に超便利プルリクを送った
TL;DR
Vim の terminal window で実行すると直接外側の Vim でファイルを開けたり、
こんなコマンドを定義してやることで :Gof
で fuzzy finder vim plugin っぽく使えます。
command! -nargs=* -complete=dir Gof execute 'terminal ++close gof -t' .. (<q-args> !=# '' ? ' ' .. <q-args> : '')
詳しくは
経緯とか
gof という Go 製の fuzzy finder があります。 fuzzy finder って何よ?って人は、似たものに junegunn/fzf, (Vim プラグインですが) Shougo/unite.vim, kien/ctrlp.vim などがあります。 (Reddit のスレにまとまってました)
もともとこのコマンドを知ったのは mattn/vim-fz という Vim プラグインが元なのですが、これも gof を使った fuzzy finder plugin です。
最初 mattn さんがこれを作った時こういうのが欲しかったんだよな(外部コマンドのラッパーとしての Vim プラグイン、かつ自分は色んな source がほしい訳じゃなくファイル選択ができればよい)という気持ちだったのですが、正直あまり fuzzy finder を使う機会が最近まで無く、ずっと導入を見送っていました。
しかしふと最近 vim-fz が必要になり、いくつかほしい機能やバグっぽい挙動があったのでコードを見た所、色んな人からの PR の結果なのか正直ちょっと見辛い感じのコードになっていました(個人的に用途がよく分からない if 文が結構あった)。
gof コマンドを呼び出すだけの Vim プラグインを再発明するのも面倒なのでまぁこのままでもいいかと思っていたものの、
ふと別の terminal 関連のプラグインを作っていた時に Terminal API を使って gof コマンドから直接 Vim にファイル開かせるのを思いつきました。
その結果が冒頭のやつです。
Terminal API とはざっくばらんに言うと特殊な JSON を含んだエスケープシーケンスをターミナル上で出力することで Vim に限られた操作を行わせることができるものです。
詳しくは
これを使うとこんな感じに内(シェル上のコマンド)から外(Vim)に働きかけることができるので色々面白いことができます。 こんな感じに。
vargs
さらに gof -t
を実装した時思いついたのが「これ単体のコマンドにすると便利なのでは?」と思ったのでこういうのも作りました。
xargs っぽく標準入力の文字列(デフォルトのセパレータは改行)に Vim Terminal API を呼び出すエスケープシーケンスを出力するニッチなコマンドです。
ニッチですがそれなりに面白いことができそうではあります。思いつきませんが。
ただ xargs ライクにしたインターフェースは我ながらよくできていると思います。
あと Slack でも呟いたんですが、最初 Rust で書こうと思ったけど、
指定文字までバッファリングしながら都度読んでいくのが bufio.Scanner のおかげでかなり楽だったり、
goroutine, channel, context も結局使いまくったので Go で書いてよかったと心底思いました。
まぁ小粒のツールなので Rust で書いても作れるは作れると思いますが、どこかで妥協してしまいそう…
project-guide.vim
vargs を作った勢いでこんなのも作りました。
やりたいことは $GOPATH/src/*/*/*
や $HOME/volt/repos/*/*/*
のリポジトリに毎回 :tcd
や bash の cd で移動するのが面倒なので、
素早く開ける方法が欲しかった。
(peco, gof コマンドが必要です)
このプラグインを入れて以下を vimrc に書くと $GOPATH/src/*/*/*
のディレクトリが列挙されて カレントディレクトリの移動とファイルを開くのが fuzzy finder UI でできます(これがやりたかった)。
パスのパターンがそれぞれ違うのでそういうことができる Ex コマンドを定義してくれるライブラリとして公開しました。
function! s:gopath_dirs_pattern() abort let root_dir = exists('$GOPATH') ? expand('$GOPATH') : expand('$HOME/go') let dirs_pattern = root_dir .. '/src/*/*/*' return dirs_pattern endfunction " call project_guide#define_command() at VimEnter, " because project-guide.vim is not loaded yet in your vimrc. autocmd VimEnter * call project_guide#define_command('Gopath', function('s:gopath_dirs_pattern')) " Or with custom options " autocmd VimEnter * call project_guide#define_command('Gopath', function('s:gopath_dirs_pattern'), #{peco_args: ['--select-1'], gof_args: ['-f']})
詳しくは結構しっかり README に書いたつもりなのでそちらを参照してください(上記も README からの引用です)。
あと TODO としてこれらを Volt のプラグインとして提供できるよう考えています(もちろん opt-out できる形で)。
plugconf や repos(は Vim プラグイン作ってる人じゃないといじらないですが)にアクセスするために $GOPATH
と同じく長いパスを参照しないといけないので。
peco
で、project-guide.vim を作った時に気付いたのが、peco は --select-1 と --query を同時に指定した時
--query でフィルタされた結果が1個でも終了してくれないこと。
バグか仕様か悩みましたがとりあえず issue で報告したらバグとして認識して頂き速攻直してくれました。流石すぎる…
これで project-guide.vim に #{peco_args: ['--select-1']}
を指定すれば(絞り込み結果が1個だったら)プロジェクト選択すらスキップできます。
設定例は先程の project-guide.vim の設定例のコメントアウトされた部分に書いてあります。
sync-term-cwd.vim
これは年末年始に作り始めたものではないですが、まぁ年末年始に手を入れたのでついでに…
なにこれ
- Vim の :terminal 上のシェルで
cd
しても Vim のカレントディレクトリは変わらない:e {フルパス}
で指定する必要があり面倒
- プラグインをインストールするとカレントディレクトリを :terminal 上のシェルと同期してくれる
:e {相対パス}
で開けて地味に便利
本当に地味なんだけど便利。
Vim の :terminal は毎日使っているので、まず間違いなく今一番(無意識に)使っているプラグイン。
詳しくは README とか help 読んでください。
最近の変更
sync-term-cwd.vim は cd
コマンドを上書きするというちょっと行儀の悪い方法を取っていました。
しかし terminal-api を使えば PS1 で $PWD
取得すれば cd コマンド上書きしなくてもカレントディレクトリ取れることに(いまさら)気付き、修正しました。
その他諸々お行儀が良くなっています。
ちなみにこれ別のプラグインを作ってる最中に同じく terminal 上のプロセス(e.g. bash)のカレントディレクトリがほしくなって、 前みたく cd コマンドを上書きしてたんじゃバッティングするんで気付いたというものです(遅い)。
あと最近デフォルトの設定値を変更したりしました。 おそらく困る人はいないと思いますが…
まだあまり使われてないプラグインだと思いますが、万一使ってる方がいて、前のデフォルトの挙動がいいって方(いるのか?)がいたら vimrc で
— tyru (@_tyru_) 2020年1月2日
let g:synctermcwd_cd_command = 'cd'
すると前の挙動になります。
empty-prompt.vim
詳しくはこちらの記事を見てください。
個人的に terminal window を使うなら入れておいて損のないプラグインだと思います。
また余計なプラグインを入れたくない & 自分で管理するのが好きな方は、同じことを素 Vim でやる設定例も書いてあるので見てみてください。
転職
あと去年あったことと言えば
- フルリモートオンリーの会社に転職した
- 20代最後の年
でした。
フルリモートは難しいと言われていますが、個人的には物凄く仕事しやすくなりました。
確かに向き不向きはあると思います。
- 一人の孤独感とうまく付き合えない人
- テキストやビデオ会議等でのリモートコミュニケーションが苦手な人
は厳しいと思います。当たり前と言ったら当たり前なんですが…
あとこれもよく言われてることですが働きすぎてしまうこととか。
自分の場合働きすぎると眠れなくなって次の日に確実に影響出たりするのでセーブしていきたい。
そんな感じで色々難しさもあるものの、基本的に自由度は高くなるので良いものだと思ってます。
エンジニア募集中らしいのでぜひフルリモート興味ある人いたら気軽に話だけでもできますのでぜひ。
あと20代最後のほしいものリストはこちらです。
趣味開発のモチベーション
またこれは周りにいる(Vimmer の)人達からも度々聞かれる困りごとではあるものの、
OSS として公開したリポジトリのメンテをあまり(思ったより)上手くやれていませんでした。
なかなか触れず issue が溜まってしまい申し訳ないと感じることも多く、それがさらにモチベーションを下げて負のループに陥る等々。
モチベーションのコントロールは仕事でも趣味でも難しいですが、 フルリモートになったことで精神的な余裕が得られ改めて色々考えたりしているので、来年は何か行動に移したいですね。
ここら辺仕事だと強制力が働くので幾分楽だったりしますが。
特に自分は何かをやり始めると朝から晩まで止まらなかったりするので、そういう推進力をうまくコントロールできればいいかなと思います。
何年言ってるんだろうなぁ…