Vim のレジスタに :terminal のシェル上からアクセスする
Vim その2 Advent Calendar 2018 の記事です。
Advent Calendar 4日目で mattn さんが紹介してくれていた Tapi について、 ちょうど Tapi を使ったプラグインを作っていたので紹介したいと思います。 実際にこんな事ができるという例としてもシンプルで分かりやすいと思います。
概要
tapi-reg.vim は Vim のレジスタと端末の標準入力/出力を繋げるものです。
:terminal
で動かしているシェル上に Vim のレジスタの内容を出力したり、
逆にシェル上から Vim のレジスタの内容を書き換えたりできます。
セットアップ
動作には jq コマンドが必要です。 インストールはほぼ全ての OS でパッケージが用意されています。
jq コマンドをインストールしたら
source <this repo>/macros/vimreg.sh
を .bashrc に書いてください。
vimreg
というコマンドが使えるようになります。
どんなことができるのか
以下は README をほぼそのまま英訳したものです。 詳しくは README を見て下さい。
:terminal
→Vim: :terminal
から Vim のレジスタの内容を書き換える
Vim の :terminal
のバッファから vimreg
コマンド経由で Vim のレジスタの内容を書き換えることができます。
$ echo 'send this text to vim register!' | vimreg
これで無名レジスタに send this text to vim register!
の内容がセットされます。
もちろんレジスタ名を指定する事もできます。
$ echo 'send this text to register a!' | vimreg a
vimreg
は標準入力から文字列を取得するため、もちろんこのようにもできます。
$ vimreg This is sent to vim register. ^D $
:terminal
←Vim:Vim のレジスタの内容を標準出力に出力する
vimreg
は --get
(-g
) オプションをサポートしています。
これは Vim のレジスタの内容を標準出力に出力するものです。
もしレジスタ名が指定されなかったら、無名レジスタの内容が出力されます。
$ vimreg -g Hello this is vim unnamed register content. $ vimreg -g a this is "a" register content.
また Vim レジスタの一覧とその内容を出力する事もできます (:registers
の出力と同じ)。
$ vimreg -l --- Registers --- "" --- Registers ---^J"" ^J^J"0 if a:args[1] ==# '--list'^J^J"1 ^J^J"2 if a:args[1] =~# '\v^(-l|--list)$'^J^J"3 local reg='"'^J^J"4 set +x^J^J"5 set -x^J^J"6 set -x^J^J"7 "0 --- Registers ---^J"" ^J^J"0 if a:args[1] ==# '--list'^J^J"1 ^J^J"2 if a:args[1] =~# '\v^(-l|--list)$'^J^J"3 local reg='"'^J^J"4 set +x^J^J"5 set -x^J^J"6 set -x^J^J"7 "1 ^J "2 if a:args[1] =~# '\v^(-l|--list)$'^J "3 local reg='"'^J "4 set +x^J "5 set -x^J "6 set -x^J "7 content=^J "8 printf '\e]51;["call","Tapi_reg",["set",%s,%s]]\x07' \^J "$(to_json_string "$reg")" "$(to_json_string "$content")"^J "9 $(to_json_string "$3") "a degure "s " "- $list || ". --list ": call system('clip.exe', execute('registers')) "% macros/vimreg.sh "# plugin/tapi_reg.vim "/ --list
疑似クリップボードサポート (Windows Subsystem Linux (以下 WSL) のみ)
もちろん vimreg では has('clipboard') == 1
の場合にクリップボードの内容も扱えます (つまりシェル上から Vim 経由でクリップボードの取得・設定もできます)。
しかしWSL では has('clipboard') == 0
にもかかわらずクリップボードを扱えるようになっています。
$ vimreg + Send this text to clipboard ^D $